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		<title>After Devil Force</title>
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		<description>『After Devil Force～狂王の後継者～』は1998年８月にWindows95&amp;amp;98対応のゲームとしてコンパイルより発売された、戦術シミュレーションゲームです。本ブログはその原作者による小説版となっております。</description>
		<dc:language>ja</dc:language>
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		<title> 第一章　雪国の王子 その４</title>
		<description>「その先、十字路を右に回ってくれ」
　吹雪と夜に静まり帰った街をしばらく進んでいくと、馬車の前部にある指示窓からエスクは目を出してラデュスに伝える。
「わかった」
「え？」
　胡乱げな表情をして見せたのはカシスだった。
　その出自や立場からいって、下々の事情に通じているわけのないカシスであ...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「その先、十字路を右に回ってくれ」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　吹雪と夜に静まり帰った街をしばらく進んでいくと、馬車の前部にある指示窓からエスクは目を出してラデュスに伝える。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「わかった」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「え？」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　胡乱げな表情をして見せたのはカシスだった。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　その出自や立場からいって、下々の事情に通じているわけのないカシスであっても、馬車の向けられた先に何があるかぐらいは知っている。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「怪訝そうだな。カシス」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「ええ、まあ&hellip;&hellip;」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　一路、馬車はネフィル最大の歓楽街と言われる&rdquo;天雫街&rdquo;と言われる界隈を目指しているとしか見えない。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「大丈夫だ。いくら俺だって、こんな状況で遊ぶつもりはねぇ」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「ちょっと、残念だがな」</div>]]></content:encoded>
		<dc:subject>狂王の後継者</dc:subject>
		<dc:date>2010-04-24T05:41:24+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
	</item>
	<item rdf:about="http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/12/">
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		<title> 第一章　雪国の王子 その3</title>
		<description>
「カシス様!!」
　一階の応接室で気もそぞろに待ち続けていた(といっても主観的にはともかくも、客観的にわずかな時間であったが)ラデュスは、待ち人がドアを開けるのももどかしいように、床に跪いた。
｢近衛騎士団右隊長ラデュス・ベルナー&amp;amp;hellip;&amp;amp;hellip;さんですね｣
｢はっ。カイラ...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<br />
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「カシス様!!」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　一階の応接室で気もそぞろに待ち続けていた(といっても主観的にはともかくも、客観的にわずかな時間であったが)ラデュスは、待ち人がドアを開けるのももどかしいように、床に跪いた。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">｢近衛騎士団右隊長ラデュス・ベルナー&hellip;&hellip;さんですね｣</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">｢はっ。カイラスよりの急使として参りました｣</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">｢貴方ほどの方がいったい&hellip;&hellip;。どうしたというのですか？｣</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　あまりネフィルでは受けることのない仰々しい相手の振る舞いに、さすがに表には出さないながらも多少のとまどいを感じながら、カシスは王子らしい威厳をなんとか演出しようと努力しながら聞いた。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「はっ。心平らかにお聞き下さい&hellip;&hellip;」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　ここで、ラデュスはなんとも心苦しく言い淀む間を作り、そして続けた。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「&hellip;&hellip;国王陛下が崩御されました｣</div>]]></content:encoded>
		<dc:subject>狂王の後継者</dc:subject>
		<dc:date>2010-04-24T05:39:25+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
	</item>
	<item rdf:about="http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/11/">
		<link>http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/11/</link>
		<title>第一章　雪国の王子　その２</title>
		<description>　東部フォーリスの北方にクォーダという国がある。カウルス山脈の麓を領する山国で、ラウルとコーネルという東部フォーリスの二大国家のうち、ラウルと従属に近い同盟関係を結んで辛うじて命脈を保っている程度の小国でしかない。月命暦２１６年現在、この国には&amp;amp;ldquo;狂王&amp;amp;rdquo;の異名が冠せられる国王が...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　東部フォーリスの北方にクォーダという国がある。カウルス山脈の麓を領する山国で、ラウルとコーネルという東部フォーリスの二大国家のうち、ラウルと従属に近い同盟関係を結んで辛うじて命脈を保っている程度の小国でしかない。月命暦２１６年現在、この国には&ldquo;狂王&rdquo;の異名が冠せられる国王が君臨している。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　シシス・クォーダⅧ。牧畜や農業とささやかな鉱業を営むほか、とりたてて特徴のないこの貧しい国を、一代でフォーリス全土に名を轟かせる傭兵国家として成立させた王である。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　クォーダの七代国王エディウス・ルセル・クォーダⅦの長子として生まれたシシスは、幼い頃から聡明な王子として評価されていたが、それ以外は狩猟と武術を好んだ普通の少年であったという。十六歳のとき、彼は慣例通りラウルに人質として&ldquo;留学&rdquo;させられ、カシスと同じようにクルーネア修士館に入学している。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　この時期から二二歳で国元に帰り王位を継ぐまでの間に、ラウルにおいてシシスに何があったか記録には残されていない。というより、人質として送られてきた貧しい小国の王子の動向など誰も注目せず、記録を残すような酔狂な者もいなかったという方が近かった。またクォーダはクォーダでラウルへの気兼ねからか自国の恥を遺す事を嫌ってか、歴代の人質としてラウルに送られた王子の記録を残さないのが慣例になっていたという理由も一つにはあるのだが。</div>]]></content:encoded>
		<dc:subject>狂王の後継者</dc:subject>
		<dc:date>2010-04-24T05:39:10+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
	</item>
	<item rdf:about="http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/10/">
		<link>http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/10/</link>
		<title> 第一章　雪国の王子 その1</title>
		<description>

&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp; 僕が何も知らないうちに
&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<span style="font-size: 10.5pt"><br clear="all" />
</span>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; 僕が何も知らないうちに</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>人々は死んでいく</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>時が瞬き流れるうちに</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>歴史へ溶けていく</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>平原を揺るがす馬蹄の轟き</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>風に流れる銃たちの悲鳴</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>いったい何時からなのだろう</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>人々は僕の名を呼び血を流す</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>いったい何時まで続くのだろう</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>冬はもう終わったというのに</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt"><span>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </span>戦いが終わらない</div>
<span style="font-size: 10.5pt"><br clear="all" />
</span>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">&nbsp;
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　　　　　　　　　　　　<font size="5">～狂王の後継者～</font></div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">&nbsp;</div>
</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">&nbsp;</div>]]></content:encoded>
		<dc:subject>狂王の後継者</dc:subject>
		<dc:date>2010-04-24T05:30:23+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
	</item>
	<item rdf:about="http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/5/">
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		<title>第一回　冬の紋章</title>
		<description>　グクツの王都ルスの城下町はその国の規模に比すれば栄えていると評せるだろう。
&amp;amp;nbsp;
　この国は規模こそ小体ではあるが豊かな農産物に恵まれ、特に茶葉の生産ではフォーリス全土に銘品として知られる者を輸出しているほどだ。

　城こそ王城があるのみで都城までは築かれてはおらず、市街は平地に無...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">　グクツの王都ルスの城下町はその国の規模に比すれば栄えていると評せるだろう。</font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">&nbsp;</font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">　この国は規模こそ小体ではあるが豊かな農産物に恵まれ、特に茶葉の生産ではフォーリス全土に銘品として知られる者を輸出しているほどだ。</font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3"></font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">　城こそ王城があるのみで都城までは築かれてはおらず、市街は平地に無造作に広がっている。だが、その王城の門前からの大道には日に二度の市が開かれ賑わい、この街の繁華を裏付けている。</font></p>
<font size="2">
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3"><br />
</font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3"></font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">　今日も朝市は街内外の人々で賑わい、立ち並んだ露店には農産物、水産物、工芸品など、昨日の仕事の成果と今日の仕事の始まりを表しているかのようだ。</font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">&nbsp;</font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">　一見、常に変わらぬ門前市の風景のように見えるが、ここ数日は少し常とは違った客層が集まるようになっている。</font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">&nbsp;</font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">　明らかにルスの市民、いやグクツの民たちとは風体も民族も違った、薄汚れた屈強な男たちが多く市に姿を現すようになっていた。市民たちは、そんな男たちを胡乱げに見ており、事実、市街の治安や雰囲気は確実に悪くなっている。</font></p>
<font size="2">
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3"><br />
</font></p>
<font size="2">
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">　この日に日に増えていくこのお世辞にも風体のよいとは言えない異邦人たちは、フォーリス全土から集まってきた傭兵たちである。彼らが喜ぶのは主に立ち食いできるような手軽な食事、武具や補修のための道具や材料、女が喜びそうなちょっとした小物や装飾品、そしてなによりも酒であった。</font></p>
<p class="MsoNormal" style="MARGIN: 0mm 0mm 0pt"><font size="3">　そんな市民たちの感情とは別に、露店商たちは徐々に金遣いの荒いこの者たちを目当ての品を並べるようになっているのも確かであった。なにしろ、それを諦めて受け入れなければならない事情がルスというよりもグクツにはあった。</font></p>
<p><font size="3">&nbsp;　今、グクツは戦禍の只中にある。</font></p>
</font></font></font>]]></content:encoded>
		<dc:subject>冬の紋章</dc:subject>
		<dc:date>2007-11-19T11:33:54+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
	</item>
	<item rdf:about="http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/4/">
		<link>http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/4/</link>
		<title>プロローグ　ベルツ城攻略戦</title>
		<description>　大陸、と呼ばれるこの惑星の中央を占める巨大大陸の西端に、&amp;amp;ldquo;フォーリス&amp;amp;rdquo;と呼ばれる地方がある。
　近年、この地方が統一され新王朝が建った。
　ここ20年の話である。
&amp;amp;nbsp;
『After Devil Force』

　星が多く月がない。
　月明かりのない夜...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<p><font size="3">　大陸、と呼ばれるこの惑星の中央を占める巨大大陸の西端に、&ldquo;フォーリス&rdquo;と呼ばれる地方がある。</font></p>
<p><font size="3">　近年、この地方が統一され新王朝が建った。</font></p>
<p><font size="3">　ここ20年の話である。</font></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong><font face="Comic Sans MS" size="5">『After Devil Force』</font></strong></p>
<p><strong></strong></p>
<p><font size="3">　星が多く月がない。</font></p>
<p><font size="3">　月明かりのない夜は辛うじて生き残った彼らを守ってくれてはいるが、それは翌朝の死を約束するものに過ぎなかった。</font></p>
<p><font size="3">　ラウル・クォーダ侯領の南端に位置するベルツ城。</font></p>
<p><font size="3">　ここに立て篭もるわずか五百人ほどの兵士は新月の夜にたった一晩の休息を与えられている。</font></p>
<p><font size="3">「やあ、ずいぶんと隙なく囲んでくれたものだ」</font></p>
<p><font size="3">　元ラウル軍総参軍長エスク・ガノブレードは、望楼に立って自軍の最期の拠り所となった地を取り囲む篝火を見渡しながら、そんな感嘆の声を漏らした。</font></p>
<p><font size="3">　それは、壮観な光景であった。</font></p>
<p><font size="3">　まるで満天の星空がそのまま暗闇の地上の中に広がるように、彼らを取り囲むラウル軍二十万が焚く万余を数える篝火がベルツ城を取り囲んでいるのだ。その陣容に隙はなく乱れもない。敵ながらこれに感嘆の声を挙げないほど、元ラウル軍総参軍長は余裕のない人物ではなかった。</font></p>
<p><font size="3">(自分が初めてこの光景を目にしたのも、この辺りだったなぁ)</font></p>
<p><font size="3">　今日ばかりは多少の感傷も許されるだろう。エスクはこれまでの生涯において幾度ともなく目にしたそんな光景に、そんな感慨を持った。</font></p>
<p><font size="3">(あのときは、これよりももっと少なかった筈だが。今よりもずっと大きく近く見えたものだ。正直、怖くてたまらなかったな&hellip;&hellip;)</font></p>
<p><font size="3">　夜を徹して、クォーダ、ラウル、コーネル、コルア、ユファなど、大陸西方のフォーリスと呼ばれる亜大陸における各国のそれぞれの民族、国家の特色に合わせた軍鼓や軍鐘、鬨声、軍歌などが響き渡るのは、威圧のためである。</font></p>
<p><font size="3">　実際、四面より響き渡るこれらの音声はフォーリス全土を敵としている事を如実に表現しており、かつてはこういった音響に戦意を亡くした者たちもあった。</font></p>
<p><font size="3">　しかし、望楼の上から城内を見渡せば、その鬨に聞こえてくる音にあわせて詠いながら踊る者はいても、恐れる風情を見せる者たちはいない。</font></p>
<p><font size="3">　というよりも、彼らは自分たちの命の最期の宴に忙しく、恐れて震えるような無駄をするつもりはまったくなかったに違いない。</font></p>
<p><font size="3">「まったく、こんな馬鹿どもが、これほど残るとはなぁ&hellip;&hellip;」</font></p>
<p><font size="3">　エスクは、そんな彼らを見ながら一番の馬鹿は自分か、もう一人望楼の上にある人物であるに違いないと思った。</font></p>
<p><font size="3">「よう、旨い酒を飲んでいるようだな」</font></p>
<p><font size="3">「ああ、今までで一番旨い酒だ」</font></p>
<p><font size="3">　エスクの目の前にあるのは、かつてフォーリス全土において「武勲」の代名詞とまで称された人物であった。</font></p>
<p><font size="3">　名をリューダスという。</font></p>
<p><font size="3">　無造作に伸びた髪が、かつて金色をしていた事など誰が信じられるだろう。すっかり白褪せた髪は、この人物がもっとも大事なものを失う以前の姿を知るエスクにとっては無闇に伸びた髭とともに痛々しく感じられるものの一つとなってる。</font></p>
<p><font size="3">　それも貫禄とも取られる年齢にお互いなってはいたが、やはり酒で濁った青い瞳と笑いこそ浮かべてはいるが、力の感じられない表情はエスクにとっては見ていて辛いものがあった。</font></p>
<p><font size="3">　今でもエスクにとっては、リューダスという名前には国内で轟くその武勲や地位などでなく、明るく快活な、時に少年じみた姿が思い浮かぶのだ。</font></p>
<p><font size="3">　それだけに、今の姿はエスク自身も責任がないとは言えないだけに、未だに心に痛みが伴うのである。 </font></p>
<p align="center"><font size="3"><strong>&dagger;</strong></font></p>]]></content:encoded>
		<dc:subject>プロローグ</dc:subject>
		<dc:date>2007-11-18T21:37:17+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
	</item>
	<item rdf:about="http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/9/">
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		<title>光寧(コーネル)</title>
		<description>首都　崑崙

概要
　「コーネル」という呼び名はクォーダやラウルで使われている表音文字表記によるものであり、コーネル人の公用語では『光寧』と表記される。
　三国時代から王家の血筋を継承していると言われる、フォーリスでもっとも古い国家である。中央から移住してきたという由来を持つコーネルは、現在...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<p><strong>首都</strong>　崑崙<br />
<br />
<strong>概要</strong><br />
　「コーネル」という呼び名はクォーダやラウルで使われている表音文字表記によるものであり、コーネル人の公用語では『光寧』と表記される。<br />
　三国時代から王家の血筋を継承していると言われる、フォーリスでもっとも古い国家である。中央から移住してきたという由来を持つコーネルは、現在もその影響を色濃く残しており、フォーリスにあっては独自の文化を築いている。国家の伝統として、フォーリスの他民族に対して敵対心が強く、鎖国とまでは言わないまでも国際社会の中で閉鎖的な印象を諸国に与えている。</p>
<p><strong>国家体制</strong><br />
　フォーリスでもっとも長く続いた血筋を自称する家（姓は帝室の者だけに伝えられている）による絶対帝政を敷いている専制国家である。皇帝がそのまま、この国の国教である崇光教の教主を兼ねる祭政一致国家である。封建領主というものが存在せず、世襲貴族と官僚による中央集権色の強い体制であり、国内の統制は非常に取れている。恐怖政治にも近いような体制を持つ国家であるが、非常に歴史ある国家として国民は熱狂的にこれを支持している。とはいえ、古びた中央集権国家の常として、官僚や貴族たちの腐敗は他国の理解を絶するほどに凄まじい。</p>
<p>　全世界で有数の魔道国家であり、フォーリスにおける魔道の起源もここにある。代々の帝は強力な法使いであり、魔道士、つまり『力ある者』たちは帝の眷属であるとされて格別の扱いを受けている。</p>]]></content:encoded>
		<dc:subject>参考資料</dc:subject>
		<dc:date>2007-02-01T20:55:17+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
	</item>
	<item rdf:about="http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/8/">
		<link>http://adf.blog.shinobi.jp/Entry/8/</link>
		<title>ラウル</title>
		<description>首都　ネフィル
人口　約９５０万人
概要
　七大国時代のひとつシリュガの崩壊後、フォーリス東部の西半分は小国家が乱立する混乱状態となった。そのためフォーリス東部には東の大国コーネルの影響力が大であったが、それに対抗するような形で、乱立する小王国の内民族を同じくするベッキオ、ルフ、アネスが合併し...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<p><strong>首都</strong>　ネフィル</p>
<p><strong>人口</strong>　約９５０万人</p>
<p><strong>概要<br />
</strong>　七大国時代のひとつシリュガの崩壊後、フォーリス東部の西半分は小国家が乱立する混乱状態となった。そのためフォーリス東部には東の大国コーネルの影響力が大であったが、それに対抗するような形で、乱立する小王国の内民族を同じくするベッキオ、ルフ、アネスが合併し（ネフィ神殿の盟約）、周辺諸国を併呑して成立した国家である。フォーリスでは比較的新しいと言ってもよう国家であり、現在では国家体制がかなり古びてきているコーネルを国の総合力を引き離しはじめていると言ってもいいだろう。</p>
<p>　ちなみに国名であるラウルの由来は、ネフィ神殿がかつてフォーリスを支配したラウム帝国の聖域であり、ラウムの後継者であるという事を自称しているためである。</p>
<p><strong>国家体制<br />
</strong>　ネフィ三大王家による王政。ベッキス・ネフィ、ルフ・ネフィル、アネル・ネフィスのネフィ神殿の盟約国である三国の末裔が、順番に国王を出すことにより成立している連合王国である。こう書くとまとまりに欠ける印象があるが、ネフィの盟約から二百年以上も経過している現在では、三王家間の政治折衝は芸術の域にまで洗練され、他国に付け入る隙を与えない。それよりも問題なのが、コーネルに対抗するために早急に周辺国を併呑した事情により、多くの王家や貴族を滅ぼさずにそのまま大貴族として遇したため各地に封建貴族が存在し、中央の王家があまり強権を振るえないことであろう。結果的に第三次クォーダ戦役の折には、クォーダの参軍エスクと宰相エディウスに利用される事になってしまった。</p>]]></content:encoded>
		<dc:subject>参考資料</dc:subject>
		<dc:date>2007-02-01T20:50:16+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
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		<title>クォーダ</title>
		<description>首都　カイラス
概要
　フォーリス東部の諸国家の中でももっとも人口が少なく、産業も牧畜とささやかな鉱業程度しかなかったという貧しい小王国。カウルス山脈の山岳民族のひとつであるクォールが、地の利を活かして何とか独立を保っているという状態にある。
　このクォールという民族は、長い間隣の大国コーネル...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<p><strong>首都</strong>　カイラス<br />
<strong>概要</strong><br />
　フォーリス東部の諸国家の中でももっとも人口が少なく、産業も牧畜とささやかな鉱業程度しかなかったという貧しい小王国。カウルス山脈の山岳民族のひとつであるクォールが、地の利を活かして何とか独立を保っているという状態にある。</p>
<p>　このクォールという民族は、長い間隣の大国コーネルの支配下にあり奴隷同然の搾取と抑圧を受けていた。月命暦６年、コーネルに対抗するように大国ラウルが成立したため、クォールの民たちはラウルの力を借りて独立して、クォーダを成立させたのである。</p>
<p>　独立時に力を借りた大国ラウルに半ば従属するような形で同盟を結んでおり、戦争勃発時の兵力の供出と世継ぎをラウルの首都ネフィルに&ldquo;留学&rdquo;させる事を義務づけられている。</p>
<p>　そういった貧しい北の小国に奇跡のように現れたのが、独立より八代目の国王シシス・クォーダⅧである。彼は自国が独立の事情から国民と王家の間に同志的意識が存在し、貧しいながら独立を保つためにフォーリスでも珍しく兵役を義務としているため、人口のわりに動員兵力が多い事に目を付けたのである。</p>
<p>　シシスは兵力の一部を傭兵師団として編成、訓練し諸国に貸与する事により外貨を稼ぐ事を考案し、実行する。当時、大部分の国家が傭兵と封建貴族の私兵に兵力の過半を頼っており、このようにまとまった兵力を用意できるクォーダ傭兵師団は、相当に重宝な存在であった。また、シシスが戦略戦術に天才的な能力を発揮し、常に勝利者の側に荷担した事から、彼ら傭兵師団の名は一躍クォーダ全域に知れ渡る事になる。</p>
<p>　シシスと傭兵師団の活躍によりクォーダはかなりの外貨を稼いだ。またシシスは諸国に赴くときに必ず技術者たちを同行させ、軍事や鉱工業の技術を学ばせ自国に持ち帰らせていた。どうやら、彼は自国民の犠牲を強いる傭兵国家を長い間続けるつもりはなく、鉱工業を発達させ、クォーダを産業立国として成り立たせようと考えていたようであった。</p>
<p>　しかし、それが達成される前にシシスは視察先の兵器廠の事故により急死し、彼の志は中途にて頓挫してしまう。そして、彼の跡を継いだカシス・クォーダⅨには、中途に終わった事業の歪みが一挙に押し寄せる事になったのである。<br />
</p>]]></content:encoded>
		<dc:subject>参考資料</dc:subject>
		<dc:date>2007-02-01T20:47:32+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
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		<title>大陸西方亜大陸“フォーリス”</title>
		<description>
設定概要
　全世界の陸地面積の半分以上を占める最大の『大陸』。フォーリスはこの『大陸』の西方に位置する亜大陸を中心とする一大文明圏の総称である。
　南北でかなり気候の差があるものの、基本的に温帯に位置するため人間の居住には適している。このためこの地域はその広さの割に人口が多く、それがこの地域...</description>
		<content:encoded><![CDATA[<p><a target="_blank" href="http://file.adf.blog.shinobi.jp/map.gif"><img alt="map.gif" align="left" border="0" src="/Img/1170329682/" /></a></p>
<p><strong>設定概要</strong><br />
　全世界の陸地面積の半分以上を占める最大の『大陸』。フォーリスはこの『大陸』の西方に位置する亜大陸を中心とする一大文明圏の総称である。</p>
<p>　南北でかなり気候の差があるものの、基本的に温帯に位置するため人間の居住には適している。このためこの地域はその広さの割に人口が多く、それがこの地域に大文明圏を成立させた大きな要因であると言えるだろう。さらに解説すれば、フォーリスの気候は大きく四つに分かれる。まずフォーリスの中心部に広がる中洋海（レヴィアス内海）周辺部の雨量の少ない亜熱帯気候、南フォーリスを貫くウージェス山脈以南の高温多雨な気候、フォーリス亜大陸の背骨と呼ばれるカウルス山脈以北の温帯、さらに北フォーリスと呼ばれる地域の寒冷部、というように大きく四つに気候区分がされている。</p>
<p>　大陸の中でも氷河期の影響を大きく受けたためと思われる複雑な地形を持ったこの地域には、四つの気候とあいまってかなりの多様性を持った文化圏を各地に発生させる事になった。</p>
<p>　面積の割には多い人口と多様性を持った文化の数々。人間の歴史が必要以上のダイナミズムを生み出すのに、これ以上の好条件はなかったと言えるだろう。</p>
<p>　この地図にあるのは、その中でもフォーリス中西部の『狂王の後継者』の舞台となった地域である。</p>
<p>　ここにあるラウル、コーネルともにフォーリスでも屈指の大陸であり、その間に挟まれるようらして成立しているクォーダは、そもそもが存立が容易でない事がわかるだろう。</p>]]></content:encoded>
		<dc:subject>参考資料</dc:subject>
		<dc:date>2007-02-01T20:45:30+09:00</dc:date>
		<dc:creator>大澤良貴</dc:creator>
		<dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
		<dc:rights>大澤良貴</dc:rights>
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